▽草間彌生 - Kusama Yayoi -
直島と聞いて思い出す人が一番多いのはベネッセハウスにある草間彌生の黄色い南瓜では?
日本を代表するアーティストの一人、草間彌生(くさまやよい)。
長野県松本市の裕福な家に生まれ、少女時代から統合失調症を患い、とめどなく襲いかかる幻覚や幻聴を描きとめるために絵を描き始める。写真家 荒木経惟とのフォト・コラボレーションをしたり、作家 村上龍原作・監督の映画「トパーズ」に出演したり、ミュージシャン ピーター・ガブリエルとのコラボレーションや、ファッション・デザイナー 三宅一生ともコラボレーションするなど、美術以外でも多彩に活躍している。
草間作品は日本各地に点在しているけど、私が観たことのあるのはここ直島にある作品と鹿児島にある霧島アートの森にある作品くらい。
草間彌生自伝「無限の網」(作品社)によればあの強烈なインパクトを放つドットは『「クサマ・ハプニング」のトレード・マークの水玉模様。赤や緑や黄の水玉模様は地球のマルでも太陽のマルでも月のマルでもいい。形式や意味付けはどうでもいいのである。人体に水玉模様を描くことによって、その人は自己を消滅し、宇宙の自然にかえるのだ。』とのこと。私にとってまだまだわからないことだらけの草間彌生の作品だけど、直島の積浦にある黄色い南瓜は台風で何回か流されたのをスタッフや住民のみんなの協力で元に戻されているエピソードを聞いてからはインパクトだけじゃない、親しみやすく暖かな作品だと思います。大潮や台風の時期になると流される前に取り外して避難させてあげてるようです。
▼草間彌生 - Kusama Yayoi -の直島作品▼
草間彌生 - Kusama Yayoi -の直島作品 | |||||
作品名 | 制作年 | サイズ | 素材 | 展示地域 | ※1 |
『南瓜』 | 1994-2005 | 高さ約2,000×直径約4,000mm | モルタルに塗装 | 積浦 | - |
『赤かぼちゃ』 | 2006 | 高さ3,950×直径6,960mm | モルタルに塗装 | 宮ノ浦 | - |
※1:☆サイトスペシフィック・ワーク
▼草間彌生 - Kusama Yayoi -のBiography▼
草間彌生 - Kusama Yayoi -のBiography | |
西暦 | 経歴 |
1929 | 長野県に生まれる。 |
1939- | 10歳の頃より水玉と網模様をモチーフに絵を描き始め、水彩、パステル、油彩などを使った幻想的な絵画を制作する。 |
1945 | 第1回全信州美術展覧会で大物作家を押しのけ16歳にして入選。 |
1952 | 地元の松本市公民館で2度の個展を開く。 |
1954 | 精神科医の助けもあり、東京で4度の個展を開く。 |
1957 | 渡米し、活動の拠点をニューヨークに移す。 |
このころに巨大な平面作品やソフトスカルプチャー、鏡や電飾を使った環境彫刻を発表し、ハプニングと称される過激なパフォーマンスも実行するようになる。 | |
ヴェネツィア・ビエンナーレにゲリラ参加する。 | |
1965-69 | ボディ・ペインティングやファッション・ショー、ベトナム反戦運動など多数のハプニングを行い、また、映画製作や新聞の発刊などメディアを用いた表現にも着手する。 |
1968 | 草間彌生自作自演の映画「草間の自己消滅」は第4回ベルギー国際短編映画祭に入賞、また、第2回アン・アーバー映画祭で銀賞を受賞、第2回メリーランド映画祭にて入賞。 |
1969 | 草間彌生自身のブティックを開店。 |
1973 | 親友でパートナーのジョゼフ・コーネルの死去により体調を崩して日本に帰国。 |
美術作品の制作発表を続けながら小説や詩集も多数発表。 | |
1978 | 処女小説「マンハッタン自殺未遂常習犯」を発表。 |
1983 | 小説「クリストファー男娼窟」で第10回野生時代新人賞を受賞。 |
1986 | フランスのカレー市美術館、ドール美術館で草間彌生個展。 |
1993 | 第45回ベニス・ビエンナーレに参加。 |
ヴェネツィア・ビエンナーレに日本代表として参加し、世界的再評価熱が高まる。 | |
1994- | 福岡健康センター、福岡美術館、ベネッセアートサイト直島(香川県)、霧島アートの森(鹿児島県)、松本市美術館(長野県)、松代駅前(新潟県)、TGVリール駅前(フランス)、ビバリー・ガーデンズ・パーク(ビバリーヒルズ)、平和公園(安養市、韓国)に野外彫刻を手掛ける。 |
リスボンの地下鉄通路に壁画を制作 | |
1996 | ニューヨークのギャラリーを中心に活動を始める。 |
国際美術評論家連盟より2年連続でベストギャラリー賞(1995/96 1996/97)を受賞。 | |
1998 | 台北ビエンナーレに参加。 |
1998- | ロサンゼルス・カウンティ・ミュージアムでの草間彌生大回顧展を皮切りに、1999年にかけてニューヨーク近代美術館、ウォーカーアートセンター、東京都現代美術館を巡回。 |
2000 | 第50回芸術選奨文部大臣賞、外務大臣表彰を受賞。 |
フランス・コンソルシウムで始まった草間彌生個展はパリ日本文化会館、オーデンセ美術館(デンマーク)、レザバトア美術館(トゥールーズ)、クンストハーレーウィーン、アートソンジュ・センター(ソウル)、アートソンジュミュージアム(慶州)を巡回。 | |
シドニー・ビエンナーレに参加。 | |
2001 | 朝日賞を受賞。 |
横浜トリエンナーレに参加。 | |
2002 | 松本市美術館開館記念個展を開催。 |
紺綬褒章を授賞。 | |
2003 | リヨン・ビエンナーレに参加。 |
フランス芸術文化勲章オフィシェを受勲。 | |
長野県知事表彰(芸術文化功労)を受賞。 | |
2004 | 森美術館での草間彌生個展「クサマトリックス」は52万人を動員。 |
東京国立近代美術館より始まった草間彌生個展が京都国立近代美術館、広島市現代美術館、熊本市現代美術館、松本市美術館を巡回。 | |
2005 | 「草間彌生全版画集1974-2004」を阿部出版から刊行。 |
「スヌーピーライフデザイン展 Happiness is the 55thAnniversary」に参加。 | |
2006 | シンガポール・ビエンナーレに参加。 |
ライフタイム アチーブメント賞(芸術部門)を受賞。 | |
旭日小綬賞を受賞。 | |
高松宮殿下記念世界文化賞(第18回絵画部門)を受賞。 | |
2008 | ドキュメンタリー映画≒(ニアイコール)シリーズ第5弾「≒草間彌生 わたし大好き」公開。 |
2010 | 愛知トリエンナーレに参加。 |