杉本博司 - Sugimoto Hiroshi - を知る


▽杉本博司 - Sugimoto Hiroshi -

 直島のアート写真でアーティスト名は知らなくてもどこかの雑誌で一度は見たことがある写真は杉本博司さんの写真だと思います。直島特集の記事にある透明な階段のある神社の写真を見たことありますか?あの作品も杉本博司さんのアート作品なんです。でも、彼は写真家です。

 写真家、杉本博司さんの作品は厳密なコンセプトと哲学に基づいて作られていて、技術的にも8×10の大判カメラを使い照明や構図や現像なども完璧な仕上がりは評価されている。日本国内はもちろん、欧米など世界各地の美術館で個展を開催していて、内装や能舞台、神社などの建築に関する作品も直島で手掛けています。また、杉本博司さんは「真実らしさで満ちている世界で、写真が真実を写し出すことはない」として、個人の存在を超えた時間の積み重なりや流れをとらえるためのコンセプトや方法を模索しているんだそうです。

 ▼杉本博司 - Sugimoto Hiroshi -の直島関連作品▼

杉本博司 - Sugimoto Hiroshi -の直島関連作品
作品名制作年素材展示地域※1
『Appropriate Proportion』2002木、石、光学ガラス、コンクリート護王神社-
『タイム・エクスポーズド』1980-97白黒写真ベネッセ
ハウス
-
『タイム・エクスポーズド 南太平洋 テアライ』1991白黒写真積浦-
『タイム・エクスポーズド ミルトア海 スーニオン』1990白黒写真積浦-
『カボット・ストリート・シネマ・マサチューセッツ』1978-パーク棟-
『カリブ海、ジャマイカ』1980白黒写真パーク棟-
『光の棺』2009-パーク棟
『松林図』2001-パーク棟-
『ワールド・トレード・センター』1997-パーク棟-
『光の教会』1997-パーク棟-
『チャペル・オブ・ノートルダム・デュ・オー』1998-パーク棟-
『セント・ベネディクト・チャペル』2000-パーク棟-
『イギリス海峡、ウェストン・クリフ(バルケットエディション)』1994白黒写真パーク棟-
『イオニア海、サンタ・チェザーレア(バルケットエディション)』1990白黒写真パーク棟-
『苔の観念』2009-パーク棟
『観念の形003オンドュロイド:平均曲率が0でない定数となる回転面』2005-パーク棟
『ロスト・パラダイス』2010-女木島-

※1:☆サイトスペシフィック・ワーク

 ▼杉本博司 - Sugimoto Hiroshi -のBiography▼

杉本博司 - Sugimoto Hiroshi -のBiography
西暦経歴
1948東京都に生まれる。
1970立教大学経済学部を卒業する。
渡米してロスアンゼルスのアート・センター・カレッジ・オブ・デザインで写真を学ぶ。
1972Art Center College of Design,Los Angelesを卒業。
1974ニューヨークに移り、奨学金を受けながら写真作品を制作。
1976シリーズ『Dioramas ジオラマ』を制作開始。
ニューヨーク近代美術館の写真部門に『Dioramas ジオラマ』シリーズの1枚を持ち込み、買い上げられる。
1977東京都の南画廊で杉本博司初個展。
1978シリーズ『Theaters 劇場』を制作開始。
1980シリーズ『Seascapes 海景』を制作開始。
1981ニューヨークのソナベンド・ギャラリーで杉本博司個展。
1988毎日芸術賞を受賞。
1994『Chamber of Horrors』を制作開始。
1995『Sea of Buddhas 仏の海』を制作。
1997シリーズ『Architecture 建築』を制作開始。
1999シリーズ『Portraits ポートレイト』を制作開始。
2001ハッセルブラッド基金「国際写真賞」を受賞。
『Pine Trees 松の木』を制作。
香川県直島町の「スタンダード展」に参加する。(ベネッセアートサイト直島)
個展「杉本博司 時間の建築」を開く。(ブレゲンツ美術館、オーストリア)
2002香川県直島町に『Appropriate Proportion 護王神社』が完成。
2003東京銀座のメゾンエルメスで杉本博司「歴史の歴史」展を開催。
アメリカのシカゴ現代美術館で「杉本博司 建築」展を開催。
2004『Conceptual Forms 観念の形』を制作開始。
『Joe』を制作開始。
2005東京の森美術館を皮切りに世界巡回する回顧展「杉本博司:時間の終わり」を開催。
2008金沢21世紀美術館で「歴史の歴史 杉本博司」を開催。
2009第21回高松宮殿下記念世界文化賞を受賞。

 ▼杉本博司 - Sugimoto Hiroshi -のArt Work例▼

杉本博司 - Sugimoto Hiroshi -のArt Work例
『Dioramas ジオラマ』ニューヨークのアメリカ自然史博物館の古生物や古代人を再現した精巧なジオラマを本物に見えるよう注意深く撮影したシリーズ。
『Theaters 劇場』アメリカ各地の古い劇場やドライブインを訪れて、映画上映中のフィルムを露光し、結果的に真白になったスクリーンとスクリーンに照らされた劇場内部を写し、時間の経過によって映画という嘘が光に蒸発したさまを撮影したシリーズ。
『Seascapes 海景』「海を最初に見た人間はどうのように感じたか」という問題提起を最初に立て、世界各地の水平線が中央にくるように同じ構図を延々と繰り返し撮影した、個別の海という同一性を奪われる白黒写真シリーズ。
『Chamber of Horrors』-
『Sea of Buddhas 仏の海』三十三間堂の千手観音群像が無限に反復するかのような鏡像的な宗教観、ぞの類稀な東洋の精神の形象化は唯一絶対の直立したキリスト教的聖域とは異なる水平の広がりを写し出した。
『Architecture 建築』世界の記念碑的なモダニズム建築を、焦点を無限倍にしることで建築家が現実的な要因で妥協したであろうディテールや夾雑物が取り除かれ、建築家が最初に頭の中でイメージした建築の霊のような姿を撮影したシリーズ。
『Portraits ポートレイト』偉人達や有名人達の蝋人形を16世紀の絵画を彷彿させる照明方法で撮影し、あたかも生きている本人を撮影したかのような作品シリーズ。
『In the Praise of Shadow 陰翳礼讃』闇の中の一本の和ろうそくが燃え尽きるまでを露光し、光の帯と影だけという写真の最小限のものだけを写し取ったシリーズ。
『Pine Trees 松の木』-
『関数模型』芸術的野心ではなく純粋に合理的思考を形にした模型を撮影することで数学者の頭の中にしか存在しない関数を写真にしたシリーズ。
『Appropriate Proportion 護王神社』『アプロプリエイト・プロポーション』香川県の直島の護王神社の設計を手がけたもの。神域にふさわしい空間を考え、神を迎えるための「適正な比率」を作り上げている。
『Conceptual Forms 観念の形』-
『Colors of Shadow 影の色』-
『Joe』-
『Stylized Sculptures』-
『Lightning Fields』-